篠山紀信はマジすごい

昨日の定休日。午前中は朝イチの仕事などあり、お昼頃に久々に街へおでかけ。まずは東京オペラシティのアートギャラリーに終了間近の「篠山紀信展『写真力』」を観にいく。
すごかった!!壁画みたいに巨大大伸ばしのポートレートを展示する展示方法、写真のすごさがドーンと迫ってくる。その人がまさに生きていた、輝いていたその時を、その人のスゴさを、その時代を、写真は写している。展覧会開始後に鬼籍に入られた森光子さん、勘三郎さんの写真に喪章がつけられていた。勘三郎さんの襲名披露・一座の口上の写真は特に印象深い。一座が振り向き、観客全員舞台後方中央のカメラに歓喜のまなざしを送っている。圧巻。かっこよすぎで震える思い。涙出る。
この前、トーク番組で、紀信さんが「日本一の山、富士山をただ撮っても、いい写真撮れない。『よっ、日本一!!』って富士山に思いをこめて声かけると「写真の神様」が降りてくる」みたいなことを言ってた。被写体へのリスペクト、愛情、そういうものが溢れんばかりにみなぎってるのが紀信さんの写真。
最後に展覧会の概要から、紀信さんが語る「写真力」を引用します。
「写真力」って何?
「写真力」?
写真の力が漲った写真ね。
写された方も、撮った者も、それを見る人々も、唖然とするような尊い写真。
特に、人の顔の写真ってすごいよね。いろいろなことを思い起こすし、あの頃、あの子と付き合ってたとか、でもグラビアの子に随分お世話になったとか(笑)、あの時代貧乏だったけど今より幸せだったかも・・・・・・とか。
時空や虚実を超えて、脳裏に強くインプットするイメージの力が、写真力ってわけだ。
そんな写真ってどうやったら撮れるかって?
そりゃ大変なんだよ。めったにそんな写真は写らない。
だって人知を超えた写真の神様が降りて来なくちゃ、すごい瞬間は立ち現れないんだもの。
その為にはあらゆる努力をする。被写体へのリスペクト、その場の空気を正しく読み、自分の感性を最大限にヒートアップさせる。すると本当に偶に神様が降臨する。そりゃ、すごいぞ。そこで撮れた一枚は、その人への想いはもちろん、時代や自分史をも思い起こさせる力になってしまうんだから。
で、この展覧会は、50年間にわたって撮ってきた写真の中から、飛び切り写真力のある写真ばかりをえらんでみたものなんだ。
よりすぐりの顔、顔、顔・・・・・・
写真ってスゴイぜ!
篠山紀信
本当にすごい人。これ、観ないのは絶対に損です。エネルギー、いただきました!!
24日まで!