血管腫騒動
ことは10月10日、小山田緑地で遊んだ日にさかのぼる。丘の上でお昼を食べ終わり、ウィルをなでながらくつろいでいた時、ウィルの左の耳たぶで隠れている首筋に、1センチくらいの毛束を見つけた。毛束の中心には何かかたまりがある。最初、よくあるベタベタくっつく草の実とかガクをくっつけいてるのだろうと思い、毛束の中から取ろうとしたら、途中でちぎれ、鮮血がついた。根元はウィルの首筋にも残っていて、「これはまたしてもでっかいダニをつけた!」と思い、小山田緑地帰りに先生に立ち寄ってとってもらうことにした。
その日、獣医さんの待合室でのウィル。


先生に診てもらうと、「これはダニじゃないね」。見る間にシェーバーで一帯を剃られて診察の結果、「できものだね。血腫のようなもので、毛束の中は血の塊ですね」と言われ、仰天してしまった。血腫?腫瘍?嫌だ・・・。前々夜にシャンプーした時は手に当たることはなかったのに・・・。治療としては血腫をとって、一応万一を考えて良性か悪性か調べる病理検査に出す方がいいかもしれない、とおっしゃるので、一も二もなく「お願いします」と頼んだ。部分麻酔をして血腫をとり、きず口を3針縫い、検査をお願いして病院を後にする。きず口はウィルが舐められない場所なので、絆創膏のみでエリザベスカラーは免れた。今後の予定。土曜日に一度きず口の様子を診てもらいにいくこと、順調なら抜糸は木曜日頃。検査結果がわかるのは数日後。抜糸までの当面は抗生物質服用。ダニをとってもらう軽い気持ちで病院に行ったのに、思いもかけない展開に、帰り道はどんより。病理検査に出すので診察代も跳ね上がって25000円くらいだった。でもそんなの痛いとか言ってられない。
悪性の可能性は低いとは言われても、検査の結果が出るまで気持ちが宙ぶらりん。それにもし悪性だったら・・・今そんな余計なこと考えても意味ない!と自分の心に折り合いをつけ過ごした。この一件をブログに書くのも検査の結果が判明してからじゃないと書く気になれなかった。

切除した日の夜のウィル。おでかけに加え、帰り道で病院でいろいろあって、ほんと疲れたね、ウィル。
きず口の回復は順調。土曜の診察後はきず口を覆ってあった絆創膏も外してOKだった。
週が明けて月曜日の夜、先生から電話をもらった。検査の結果は「血管腫」という良性の腫瘍だった。ともかく良性で安堵したけれど、良性でも腫瘍という言葉はなんか心に引っかかる。詳しいことは木曜日(ウィルの誕生日の日)に予定してる抜糸の時に、ということで電話を切った。

そして木曜日、ウィルの誕生日。夜、抜糸に行った。先生は私の目の前でピンセットで糸を取り除いてくれた。きず口はとてもきれいにくっついていて、痕もすでに薄くなっていた。剃られた毛もだいぶ生えてきた。その後、検査機関からの報告書類を見ながら再度検査結果についての説明。ウィルのできものは良性の腫瘍の一つ、「血管腫」とのこと。血管腫とは「細い血管が無数に絡み合ってできた腫瘍状の塊で、ちょうどスポンジのような構造で血液を多く含む」ものだそうで、悪性型のものはもう少し皮膚の深い部分にできる血管肉腫となる。ウィルのものは、皮膚の表面のみで深部への浸潤はなく、腫瘍の境界がはっきりしているので、切除すれば心配はないとのこと。また、今後多発する傾向は少ないとのこと。腫瘍の出来やすい体質なのかな、と凹んでいたけれど、少しほっとした。検査してよかった。
晩年までほとんど病気と縁がなかった三太に比べ、ウィルはちょこちょこと心配させてくれる。我が家に来てすぐのさんぽ中に、リードつけずにガレージからいきなり飛び出してきたダルメシアンに首を咬みつかれて縫う怪我、左眼のぶどう膜炎、そして今回の血管腫、暑い時期悩まされるカイカイ。どれも大事に至らないのは幸いだけれど。本当に悪いものでなくてよかった。ほんと、もうただそれだけ。
今は剃られた毛も伸びてきて、傷口はもう痕もわからない。ほんとよかったね、ウィル。

(上の写真は我が家に来て4日目、ダルメシアンに咬まれて縫い、エリザベスカラーをしたウィル)