生誕80年記念岩城宏之メモリアルコンサート
プログラム
第一部「パトロン・岩城宏之」
武満徹 ノスタルジア(1987)
指揮:井上道義 ヴァイオリン独奏:サイモン・プレンディス 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
一柳慧 ピアノ協奏曲第3番「分水嶺」(1991)
指揮:外山雄三 ピアノ:木村かをり 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
黛敏郎 日本テレビ「スポーツ行進曲」
指揮:外山雄三 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
池辺晋一郎 悲しみの森(1998)
指揮:天沼純子 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
第2部「岩城宏之アラカルト」
外山雄三 管弦楽のためのラプソディー
指揮:外山雄三 合奏:日本打楽器協会有志
林光作曲 原民喜作詞 「原爆小景」より 水ヲ下サイ
指揮:山田和樹 合唱:東京混声合唱団
岩城宏之著 「森のうた」より
朗読:壇ふみ 構成:福島敏朗
平岡精二作詞・作曲 学生時代
歌:ペギー葉山 指揮:山田和樹 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
阿木燿子作詞 筒美京平作曲 魅せられて
歌:ジュディ・オング 指揮:山田和樹 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
渡辺俊幸 「利家とまつ」より 颯流
指揮:渡辺俊幸 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
第3部「ベートーヴェン振るマラソン」
西村朗 ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲(2007)
指揮:山田和樹 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」op.125より第4楽章
指揮:井上道義 独唱:森麻季(ソプラノ)、鳥木弥生(メゾソプラノ)、吉田浩之(テノール)、木村俊光(バリトン) 合唱:東京混声合唱団 管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
司会:壇ふみ、池辺晋一郎
他出演:一柳慧、三枝成章、西村朗
生きていたらこの日が80歳の誕生日のマエストロ・岩城宏之さん(2006年逝去)。3時間びっちり、亡くなるまで精力的に活動した岩城宏之さんの多彩な才能や交流を知ることが出来る、ユニークなコンサートでした。
オーケストラ・アンサンブル金沢は1988年に生まれた室内オーケストラで、岩城宏之さんはその初代音楽監督で、永久名誉音楽監督。毎年作曲家に新曲を委嘱するコンポーザー・オブザイヤー制度を敷いている非常にユニークなオーケストラだそうです。第一部はそんなOEKの性格や、初演魔と言われた岩城さんの一面にライトをあてた、ちょっと難しい現代曲(黛敏郎さんのスポーツ行進曲だけは誰もが知ってるけど)。第二部はゆかりのポップスを含めたアラカルト(岩城宏之さんはポップスの仕事をする時、名前は「水木ひろし」と名乗っていたそうだ!)、第三部は大晦日にベートーヴェン全交響曲を振った男・岩城宏之を偲んで。
それにしても豪華な顔ぶれ。司会の壇ふみさん・池辺晋一郎さんはN響アワーの名コンビ再び!池辺さん、この日も控えめながら、駄洒落を連発していました。9列目というものすごいよいお席だったので、ゲストが近くて(ジュディ・オング、顔ちっちゃ~、きれい~)、感動しました(すみません、タダのミーハーコメントで)。初演というのは、ものすごく大変な仕事だろうなと思った。プログラムにも作曲家・林光さんが書いていたけれど、「作曲家が譜を書けば作品がなるのではない。すぐれた指揮者が、その曲の居場所を定めるとき、その作品は完成する」と。作曲家や音楽家ってやっぱり素晴らしいなあと思った。死んでなお、こうして感動を与え、時代を超えて演奏されていくのだから。とにかくあまりにぎっちり濃いコンサートで、書ききれません!こんな幸運をくださったRさん、どうもありがとうございました!たっぷり楽しみました!!最後に、井上道義さん、ファンになりました~。